女性ホルモン
妊娠に至るまでの環境を整えてくれているのが女性ホルモンです。子宮内膜を厚くして妊娠しやすいように整えてくれています。
エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。これらは、月経周期で増殖したり減少したりしています。後にグラフを参考にしながらみていきます。
今回は、月経に伴い出てくる不調、閉経を迎えて起こる更年期障害、それらとアロマの関りを記していきます。
女性ホルモンの影響
上の図は月経周期に卵胞、基礎体温、女性ホルモンがどのように変化しているかを表しています。
図の上から、卵胞は自らが卵胞ホルモンを作り出す「増殖期」→「排卵」→排卵後、「黄体」に変化する「黄体期」→妊娠が確認されないと黄体は白体となり、膜が剥がれ落ちて「月経期」に入る。このサイクルを繰り返します。
基礎体温は排卵日を境に、卵胞ホルモン(エストロゲン)増殖期は低温期、黄体ホルモン(プロゲステロン)分泌期は高温期になります。
黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌されている時に、特に不調をきたすのが月経前症候群(PMS)です。
腹痛、頭痛、イライラ、便秘、むくみ、肌荒れなどの症状があります。
また、女性が閉経を迎える前後に女性ホルモンの分泌の減少、ストレスなどにより不調があらわれてくるのが「更年期障害」です。
ホットフラッシュ、気分の落ち込み、倦怠感などの症状があります。
次に、これらの症状を予防、向き合うためのアロマの選び、方法について紹介していきます。
幸せ気分になるアロマ
まず、どんなアロマを選んでいったらいいのかということですが、
◆月経前症候群(PMS)痛みがある場合
レモングラス、マジョラム、ローズマリー、ラベンダー、ジンジャー、ペパーミントなど
◆月経の周期が乱れている
サイプレス、ジュニパー
◆更年期障害でホットフラッシュ、うつ傾向、倦怠感、やる気が出ないなどがある場合
ローズ、ジャスミン、クラリセージ、フェンネル、サイプレスなど
※ホルモン治療中の方は、ホルモン様作用のある精油は使わない方がいいのでご注意ください。
サイプレス、クラリセージ、フェンネル、ゼラニウムなど
次に、どうやってアロマを使っていくかですが、
◆腹部、デコルテ(胸元、肩、首まわり)部分へのトリートメント
1.トリートメントオイルを作ります。
ボディケア用の植物オイル(ホホバオイル、オリーブオイル、アーモンドオイル、セサミオイル、スクワランなど)10mlに2滴。精油の量は安全に使える量を示しています。
2.腹部の場合は、時計回りにクルクルとやさしくなでるようにしていきます。
2.トリートメントしていきます。
デコルテ部分へは、耳元から首へ流す時は鎖骨に向かって、胸元や肩回りをする時はわきの下に向かって流していきます。
◆芳香
エアースプレー(市販のものでも可)、アロマシールを貼る、ディフューザーを使う。
バッグなどに入れて持ち歩きができるのでいつでも香りを嗅ぐことができます。
アロマシールは使い捨てでき、その日の気分によって香りを変えられます。
ディフューザーは、寝る前やリラックスしたいとき、プライベート空間で焚くのがオススメです。
◆入浴
アロマを浴槽に5滴入れて、身体と気持ちをリラックスさせます。
まとめ
私たちと深いかかわりがある女性ホルモンは、妊娠をするための準備として適切なホルモンを出してくれています。
女性ホルモンの分泌が盛んな20代~30代までは、女性の肌を潤してくれてお肌をきれいに保ってくれています。
ホルモンは脳からの指令によって分泌されるので、ストレスや過剰なダイエットなどで過剰にホルモン分泌されてしまい身体に不調が出てくることもあります。
人にはなかなかわかってもらいにくく、つらい症状です。ひどい場合は産婦人科を受診した方がよいと思いますが、日頃からアロマを使ったケアを行うことで少しでも幸せな気分で過ごしていけるのではないでしょうか。
参考文献
・「からだの地図帳」講談社
・「クリニカル・アロマテラピー」フレグランスジャーナル社
・「病態生理学」秀和システム